1. 風力発電システム
i.
システム原理
風力発電は発電時に温室効果ガスを排出しない発電システムであり、我が国においては太陽光発電と共に再生可能エネルギーの中心技術として位置付けられるものである。また、風の力で風車を回すことによって発電機が回転し電気が発生する自転車のライトと同じようなシンプルな原理のクリ−ンな発電方法である。
発電効率向上のため風車の大型化が進み、日本各地でもウィンドファ−ムと呼ばれる巨大な風力発電設備の建設が注目される一方で、市街地などの街路灯に設置されている
小さな風車を見かけたり、風力発電を取込む学校が増加するなど、小さな『マイクロ』と呼ばれる風力発電機の需要も高まっている。
ii.
システムの利点と問題点
これまで数百kW 以上の規模の中大規模システムを中心として導入拡大が進められてきたが、中大規模システムについては、経済性を確保するために平均風速5〜6m/s の風況適地の選定が必要となり、また騒音が発生するため市街地等での設置は困難なため、導入できる地域が限定されている。
一方、民生施設へ導入可能な再生可能エネルギー利用機器としては、これまでは太陽光発電および太陽熱利用システムにほぼ限定されている状況であったが、弱風下でも発電が可能で騒音の少ない数百W から数kWクラスの小規模な風力発電システムが普及することにより、豊富に存在する風力エネルギーの有効利用が可能となり温暖化防止に寄与することができる。0.5〜1kW 規模程度の小型風力発電システムについては、既に家庭用システムとしてメーカーや輸入販売店から市販されている。従来のシステムについては、商用電力系統と連系しない独立型システムが大半であり、電機機器に対して単独で電力を賄うための蓄電池や充放電コントローラ、インバータの併設が必要なことから、発電電力の利用用途が限定されるとともに周辺機器分のコストが高くなり、屋外照明や山間部での利用など一部での導入にとどまっている状況である。
しかし、現在ではインバーター等を用いない系統連系型の小型風力発電システムの実用化が進められており、これらのシステムの実現により発電電力の利用用途が拡大されるとともに低コスト化が可能となると考えられる。小型風力発電システムは中大規模の風力発電と異なり、2〜3m/s の弱風から発電が可能となり騒音も小さいため、市街地を含めて様々な場所での導入が可能であると考えられる)。小型風力発電システムについては太陽光発電システムとの一体化も可能であり、インバーターを用いるシステムの場合は双方の発電システム間でインバーターの共有が可能となるため、その分コストが抑えられる。
Z-500 仕様 Zephyr社(日本)
定格出力(風速12.5 m/s) |
400 W
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最大出力 |
600 W
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出力電圧 |
12 VDC
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発電開始(カットイン)風速 |
3.0 m/s
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価格(税込) |
¥166,950
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